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医薬分業と薬剤師

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薬剤師なら一度は聞いたことのある言葉「医薬分業」。実際にどのような事かを理解していますか?
今回は医薬分業について説明をして行こうと思います。
また、医薬分業が進められた背景や歴史についても簡単に解説していこうと思います。

医薬分業とは?

医薬分業を簡単に説明すると「医師が治療を行い、薬剤師が調剤する」という事です。
医師が患者の治療に専念し、薬の処方や調剤など薬に関連することは薬剤師が行い、それぞれぞの専門家が協力しあうことで、より良い医療を目指していくことを目的としています。

医薬分業の歴史

医療分業の歴史は古く、約800年前のヨーロッパから始まっています。
国を収める権力者などが、毒殺を防ぐために死亡診断書と、薬を管理する者を分けた事が始まりとされています。
(医師が陰謀に加担し、「毒を盛り、医師自ら死亡診断書を書く」事で暗殺の証拠を消されてしまう可能性がある為、別々の人間に役割を分けた)

そして、日本では明治の初期頃から医薬分業が始まりました。
しかし、この時点では医薬分業は普及するには至りませんでした。

日本での医薬分業の普及率

日本で医薬分業が浸透し始めたのは、まだまだ近年の事です。
全国平均で約70%前後の浸透率となっていますので、まだ全ての医療機関で医薬分業が行われているわけではありません。

医薬分業が遅れた背景

医薬分業が遅れた背景として、明治初期の医薬分業導入当初、薬剤師不足の影響のため医薬分業の受け入れ体制が整っていませんでした。その為、医師自らが調剤を行う必要があったのです。
しかし、医薬分業の受け入れ体制が整った後も、医師会の有力者たちがが政治的圧力をかけ、医師による調剤する権利を譲らなかった為、医薬分業の普及が遅れる原因になりました。

医薬分業がようやく普及し始めたのは、昭和49年の診断報酬の改定により「処方せん料が引き上げられた」事がきっかけとなりました。

このような背景があり、日本における医薬分業の普及は遅れることとなりました。
その為、諸外国に比べ薬剤師の専門性や薬の知識レベルが未熟である為、薬剤師のレベル向上を目的とし2006年より薬剤師免許の取得には6年制課程の薬学部修了が必要となりました。

このように薬剤師と関連性の強い医薬分業ですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

医薬分業のメリット

医師と薬剤師のそれぞれの専門性を活かせる

医師はあくまで医療の専門家であり、薬の専門家ではありません。
その為、薬の細かな効能や副作用、飲み合わせなど情報ついては薬剤師ほど熟知していないのが現状です。
ただでさえ、高度な医療は専門的な知識やスキルが必要になりますので、薬の事までは手が回らないというのが現状です。
そのため、薬に関しては薬剤師がしっかりとサポートすることによって患者さんをしっかりと治療する事ができるのです。

薬歴の管理による副作用の防止

調剤薬局がお薬手帳などを使い、薬歴をしっかりと管理することで、副作用を未然に防ぎ患者さんの治療を助けるというのも医薬分業の大きなメリットと言えます。
医療の現場にしっかりと薬剤師が関わることで、医師だけでは把握しきれないような薬の情報や、副作用といった薬の事故を防ぐことができます。
医療分業には、このように医療の専門家である医師と、薬の専門家である薬剤師が力を合わせ、しっかりと患者さんの治療出来るという万全の体制を築くというメリットがあります。

医薬分業のデメリット

病院と薬局別々に行く必要があり二度手間

医薬分業もメリットばかりではありません、患者さんからすれば、病院と調剤薬局それぞれに足を運ぶ必要がある為、手間が増え面倒くさく感じる事も少なくありません。

また、患者さんとっては、かかりつけの病院から渡される薬に比べ、調剤薬局で渡される薬は、心理的に不安を伴います。
信頼できるかかりつけのお医者さんに薬も含めすべての面倒を見てもらいたいという心理は少なからず働きます。

医薬品の在庫の増加

医療品の在庫を多く持たなくてはいけないという点で、患者さんだけでなく、薬局側にもデメリットが発生する場合があります。
特に大きな総合病院の近くなどでは、様々な患者さんが日々で入りしていますので、沢山の医療品在庫を抱えないと対応することができません。
個人経営の多い調剤薬局の店舗では沢山の医療品在庫を抱えるのはリスクと言えますので、不良在庫をかかえないように薬の管理をしっかりとする必要があります。

まとめ

このように医薬分業により薬剤師が医療現場に関わる機会が増えました。
もちろん、これは本来の役割に適した分業ですので、患者さんにとっても医師・薬剤師にとっても大きなメリットとなります。
また、医薬分業の普及により、薬剤師の存在感が増してきていると言えるのではないでしょうか。
病気や怪我で苦しむ患者さんを救う為にも、薬の管理や副作用をしっかりと把握し、医療現場で存在感のある薬剤師が増えていくことを願っています。

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